初めて相談させていただきます。

１５歳の初潮がきてから３０歳の現在まで、ずっとニキビに悩まされて
います。（妊娠中はなぜかできませんでした）

一年半ほど前に、多嚢胞性卵巣だと診断されました。（経膣エコーの画
像で）その際、採決をしてもらえず、ホルモンのバランスをみてはもら
えませんでした。

二人目妊娠も希望してなくはないのですが、それよりも長年のニキビの
ストレスが限界に来ています。
今は、ぱっと見は落ち着いていますが、皮膚科の薬などをかなり多用し
て落ち着いたように見せているだけの状態です。

完治させたくて、皮膚科や美容皮膚科も色々回りましたが、多嚢胞を治
さない限り、何をしても治らないと断言されました。
以前多嚢胞と診断された時、トリキュラーを処方されて余計にニキビが
増え、マーベロンに変えてもらいましたが、ひどくはならないものの、
完治にはほど遠く、精神状態が悪くなりました。

多嚢胞の治療といえば、妊娠希望→排卵誘発剤
妊娠希望外→ピルが一般的なのでしょうか。

完治ができないのであれば、何かニキビを落ち着かせる手立てはないで
しょうか。

それと、現在ニキビ治療の一環でプレグナンジオールを飲んでいますが
ホルモンの検査をする時に影響がでてしまいますでしょうか。

的外れな質問でしたら、申し訳ございません。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

ニキビの原因には、いろいろあります。それらの原因によって治療する
のが正当なことだとは思いますが、当院は産婦人科ですので(皮膚科では
ないので)簡便な治療を行っています。多くのニキビは「アクネ桿菌（プ
ロピオニイバクテリウム・アクネス、 P.acnes』が原因です。嫌気性菌
の一種で抗生剤による殺菌効果が明確ではありません。そこで当院には
テトラサイクリン系の抗生剤であるビブラマイシンの少量長期投与(一日
一回50mgを3〜6ヶ月間)を行っています。ビブラマイシンは同種の抗生剤
のミノマイシンに比べて頭痛などの副作用が少ないようです。またクラ
リスロマイシンに比べるとかなり安価です。ビブラマイシンはアクネ菌
に対して殺菌作用はありませんが静菌作用があり、菌の増殖を止めます
。アクネ菌の増殖が止まっている間に自身の白血球がアクネ菌を食菌し
て菌がいなくなります。そのため、即効性はなく、通常の経過であれば
、2週間〜1ヶ月でニキビが軽くなります。2〜3ヶ月でほとんど消失しま
すが、菌が残っていると服用中止でニキビが再発します。当院の経験で
は、3〜6ヶ月間服用すると服用中止しても再発が少なくなります。ニキ
ビの約8割の方がビブラマイシンの単独服用で改善します。2割ぐらいの
方はビブラマイシン
では効果がなく皮膚科受診を勧めています。一度、試してみたらどうで
しょうか。
　注意点ですが、ビブラマイシン服用中は妊娠してはいけません。妊娠
の可能性がない方、避妊の出来る方のみが服用できます。ピルと同時服
用は構いません。
　プレグナンジオールは黄体ホルモンですので、ホルモン採血に影響し
ます。
　

ピルとビブラマイシンの併用で避妊効果はあるのですか？

　ピル（経口避妊薬）に避妊効果があります。ピルを服用中にビブラマ
イシンを一緒に飲んでも構いません。ビブラマイシンでピルの避妊効果
がなくなる訳ではありません。

妊娠９ヶ月までそちらで妊婦健診でお世話になった者です。
本日、大阪での里帰り出産で無事、男の子を出産致しました。
佐野先生やスタッフの方には本当にお世話になり、感謝しかありません
。
ほんとうにありがとうございました。

本題ですが、今回の出産に至るまでに、3回初期流産を経験し、佐野先生
指導の下、柴玲湯と小児用バファリンを服用し、クロミッド・ダクチル
服用、タイミング法にて今回の出産に至りました。
出産が終わったばかりではありますが、第二子を考えた時に、やはり次
回の妊娠の際も、柴玲湯や、小児用バファリンの服用は必要となります
か？
年齢的にも35歳になり、早めに第二子について考えたいと思っています
。
来年より生活の拠点が大阪に移るため、第二子を考えるんであれば、大
阪で信頼できる医師に相談しなければとは思っていますが、参考までに
佐野先生がどのようにお考えか伺いたく思います。
よろしくお願い致します。

　無事に男児を出産されておめでとうございます。予定日が７月１７日
でしたので少し早めでしたが遅くなるよりは良かったと思います。貴女
はもとより家族のお喜びを感じました。
　不育症については様々な学術的考察（考え方）がありますが、たとえ
ば「胆石症」のように標準的な治療法は存在しません。私は約３０年前
から「習慣流産＝不育症」の研究グループに所属して学会発表や論文発
表をしてきましたが、目に見えて「治療法が確立した」ということはな
く、各医師が各々の立場で意見を主張しているのがこの「不育症」の分
野です。
　経験的な話題ですが、不育症の治療後に出産をされた方の多くは次の
妊娠では正常に妊娠・出産されることが多く治療を必要としない方もい
ます。AMさんの場合は、PCOs（多嚢胞性卵巣）と黄体機能不全がありま
したので、哺乳中止後も月経再開が遅れる可能性が強く、早めの離乳と
離乳後３ヶ月以上月経が再開しない場合は受診することを勧めます。柴
苓湯と小児用バファリンの服用は担当医の判断で決めることです。とし
か現時点では言えません。
　まずは共あれ、ご報告をありがとうございました。

ご返信ありがとうございました。
家族共々、息子の誕生を大変喜んでおります。
母子ともに健康、この子に会わせて頂いて大変嬉しく思います。

ご返信の内容、やはり、と言うかそうなんですね。
治療を必要としない方もおられるというのはとても希望になりました。
元々第二子を望んでいる事もあり、母乳育児は早めに切り上げるつもり
でいましたが、私の場合、生理再開が遅れる可能性もあるとの事で大変
参考になりました。
ちなみにですが、早めの卒乳とは目安として何ヶ月くらいでしょうか？

　「初乳」というのがあります。
　ヒトに類する哺乳類の仲間では、赤ちゃんは胎盤からIgGという抗体免
疫をもらって、生後６ヶ月分ぐらいの抗体免疫を維持します。赤ちゃん
は生後３ヶ月目ごろから自分で抗体を作り出しますが、その不足する期
間の抗体免疫を持って生まれるのです。その後は、ワクチンや感染によ
って更に抗体産生力が増して、健康に育ちます。家庭で隔離しておくと
必要な抗体が産生されず保育園や幼稚園に通学するようになって必ず病
気にかかりますが、免疫が出来るので、将来の健康のためには必要なこ
とです。
　初乳の中にはIgAというタイプの抗体免疫が含まれています。IgAは腸
管免疫の主力です。ロタウィルス(嘔吐・下痢の原因)等の腸管感染を予
防します。また食物アレルギーの改善に役立つと考える医師もいます。
IgAは出産後１週間(５〜７日)ぐらいの初乳に多量に含まれていて、その
後の母乳にも含まれています。私は、第２子希望の方の授乳は「1〜３ヶ
月」間を授乳を勧めています。