1)ルテジオン錠は「酢酸クロルマジノン」という合成黄体ホルモンの入
った混合ホルモンです。
2)一般的な排卵後の黄体機能の補充(=刺激)療法には、1)注射療法と2
)内服療法とがあります。1)の「hCGの注射療法」では、排卵後の1週間
に2〜3回、hCGを筋肉注射するので、通院回数が増える卵巣が腫れる、な
どの欠点があります。「天然型黄体ホルモン(オオホルミンルテウム)の
注射療法」では、排卵後毎日の注射が必要です。2)の内服療法には、a
)デュファストン錠などの合成黄体ホルモンやb)プラノバール錠やルテジ
オン錠などの混合ホルモン(=合成エストロゲンと合成黄体ホルモンが同
時に入っている)を服用します。合成黄体ホルモン療法の場合は、一部の
種類(ヒスロン錠など)が男性化作用を持つために、妊娠初期(妊娠6週〜
10週ごろ)に服用すると女児の性器発現に影響がでる可能性があり注意が
必要です。ルテジオン錠に入っている「酢酸クロルマジノン」は最も天
然型に近い合成黄体ホルモンで、排卵後の2週間以内(妊娠していたとす
ると妊娠2〜4週未満)では、胎児に影響を与えず、安全であると考えてい
ます。月経周期の調整のため、予定月経を過ぎて服用する場合も稀にあ
りますが、その時は排卵から2週目(妊娠4週)に妊娠反応をして陰性(-)を
確認して服用を続けます。
3)ルテジオン錠には合成エストロゲンとしてメストラノールという合成
卵胞ホルモン(エストロゲン)が入っていますが、これも妊娠4週未満であ
れば安全と考えています。
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