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Re: No.[724]
投稿者:さのウィメンズクリニック 投稿時間:2009/04/30 [木曜日] 14:19:52
  “黄体機能不全”の病態は“排卵障害”ほどには良く判っていません
。その分Drの診察に違いがでる事が多いと言えます。外来で“黄体機能
不全”と診断した方でも無治療周期で妊娠され出産までうまく行く方も
います(妊娠した周期は「たまたま黄体機能が正常だった。」と説明され
ます)。
 実際の黄体機能は、A)排卵前の卵胞期の卵胞の大きさやエストロゲン
の量によって、卵胞を発育させる下垂体のLHやFSHの分泌レベルやLHパル
スの頻度(=間隔)、子宮の血流量の増加の程度などによって、子宮の内膜
が厚くなり、B)LHサージの高低によって卵胞内圧が増減し、排卵と黄体
形成が起こり、C)形成された黄体の大きさ、質と、その後のLH分泌によ
って、黄体からの「エストロゲンとプロゲステロンの分泌量」と「黄体
が維持される期間」が決まると考えられます。
 黄体機能を亢進させる(=強くする為)には、1)クロミッド、セキソビ
ッドやhMGを使って排卵する卵胞を大きくする。卵胞の数を増やす。2)
LHサージを高める(おそらくクロミッドが有効)。またはhCGを注射する、
3)排卵後にhCGを注射して黄体を刺激する(OHSSの危険性が高まる)、4)
黄体ホルモンを服用する(デュファストンが一般的)、5)混合ホルモン(
エストロゲンと黄体ホルモンの合剤)を服用する、などの方法があります
。
 当院の黄体機能不全の治療は、1)2)と5)がほとんどです。3)の排
卵後のhCG注射は、卵巣が腫れる、通院回数が増える、痛い、などのため
行っていません。治療期間は排卵後の月経開始が約14日目前後になる様
に調節しています。回答が難しい質問でした。



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