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Re: No.[410]
投稿者:さのウィメンズクリニック 投稿時間:2006/11/27 [月曜日] 12:18:49
 腹腔内の癒着は多く(大部分)の手術で起こります。九大産婦人科では
1980年ごろから腹腔鏡を取り入れました。1990年から約5年間は開腹手術
(通常のお腹を開ける手術)で子宮筋腫核出術や卵巣嚢腫摘出術を行った
患者さんに手術後1週間目に積極的に腹腔鏡検査(術後早期腹腔鏡検査と
癒着剥離術)をして術後癒着の有無を確認し癒着があれば剥離しました。
その結果、子宮筋腫の患者さんの約30〜40%、卵巣嚢腫の患者さんの約
80%に術後癒着が起きている事がわかり、癒着防止の為の手術法や癒着
防止剤の開発と評価に貢献したと考えています。その際に判明した事(癒
着しやすい条件)は、1)術中に既に癒着があること、2)術中・術後の出
血が多い事、3)子宮内膜症が存在している事、4)術者によって術後の
癒着の多少に差がある事、などです。
 腹腔鏡下の卵巣嚢腫切除術は、もともと術後癒着が少ない手術方式と
されていますので、術後の癒着を見る検査を行う事はなくなりましたが
、それでも多少の癒着は起こると考えます。
 癒着が起きても通常(多くの方)は自覚症状(痛みなど)はありません。
腹痛もなくお腹の外からではわかりませんので多くの方はそのままで「
まず」支障はありません。
 ただし時々癒着によって腹痛が起きる方がいます。癒着は子宮や卵巣
と腸の間に起きますので、痛みの多くは腸の腹膜の痛みです。「食後や
排便時に腸が動く時」や「卵巣で排卵がある時」などに「腸の腹膜が刺
激されて痛み」が起きます。一般的には手術後の癒着で腹痛が起きやす
い方はケロイド体質の方に多いようです。癒着した部分の腹膜も厚く硬
くなって「つっぱり」が強いためと考えられます。この硬い癒着は時間
が経つとともに薄く柔らかくなって伸びがよくなりますので、その頃に
は癒着の痛みもほとんど消失している事が多いようです。個人差があり
ますが「痛みが消えるのに3〜6ヶ月ぐらいかかる方が多い」と感じてい
ます。
 お臍や下腹部の傷跡のケロイドはどうですか?



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