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Re: No.[333]
投稿者:さのウィメンズクリニック 投稿時間:2006/07/01 [土曜日] 12:40:46
 1)高プロラクチン血症ですが、話が少し長くなります。高プロラクチ
ンが卵巣機能を抑制する事は昔から知られています。1980年前後から徳
島大学の産婦人科のグループが「プロラクチンの負荷試験をすると15〜
30分後にプロラクチンが正常群よりも高くなる人がいる。プロラクチン
は日内変動が激しくこのような人は夜間などにプロラクチンが高くなり
卵巣機能を障害している可能性がある。これらの人を薬で治療したら妊
娠率の向上につながった。」と発表しました。それ以来プロラクチン負
荷試験をして高値ならテルロンなどを服用させるのが一般的です。私が
潜在性高プロラクチン血症の治療をしなくなったのは九大を退職する直
前です。九大産婦人科の不妊研究室では年に数回不妊外来の妊娠例や不
妊娠例の集計をするのですが、その際に担当医が潜在性高プロラクチン
血症を見落として治療し妊娠に至った症例が多数ある事に気付いたので
す(その後は浜の町病院に移りましたので、データの集計と発表はしてい
ません)。浜の町病院ではプロラクチン負荷試験はしましたが、潜在性高
プロラクチン血症があっても治療なしで他の治療を続けましたがほとん
どの方が妊娠されました。現在では前値のプロラクチン値が軽度高い方
(15〜25pg/mL)でも排卵障害や卵巣機能不全が無い方には高プロラクチン
血症の治療は行っていません。それでも妊娠しています。前値のプロラ
クチン値が中等度以上(25〜30以上)高い方は通常で排卵障害が起こりま
すので治療をします。
 (お断りしておきますが)上記は個人的な見解であって、無作為試験を
行って統計学的に有意があると検討した(皆が信憑性があると信じる)結
果ではありません。当院であればくーくーさんにはテルロンの処方はし
ません。また排卵後は、そんなに何回も子宮内膜の厚さを測定しません
(治療前と治療後の黄体中期を各1回づつで十分です)。通院時間と超音波
検査の費用が無駄ではないかと考えます。
2)卵胞径18mmの時の子宮内膜が8.8mmは正常です。排卵後(黄体期)の子
宮内膜は排卵後7日目(=黄体中期)前後までが厚く、その後は薄くなりま
す。生理直前には8mm以下になる事もあります。ただし着床して妊娠すれ
ば予定の生理の頃には子宮内膜は20mm前後まで厚くなります。
3)時々、高温期が短縮している様ですが、数回の排卵周期の内の1回に
高温期が短縮して黄体期機能不全が起こる事は正常範囲内の状態と考え
られます。



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