吉満陽孝先生
　資料をいただきありがとうございました。
1) 太田先生の発表は良く知っています。発売後5年間で約300例の患者さ
んにミレーナを入れたそうです。当院では5年間に約60名でした(ちなみ
にバイエル薬品の担当者から九州全体で5年簡に約300件と聞きました)。
2) ミレーナの外套の径は5mmです。経産婦さんであれば麻酔なしで挿入
可能なサイズ(少し痛がる程度)だろうと同意します。当初は会社の説明
のように外套内に水平アーム(羽)をとじ込んで外套を挿入し子宮の中で
グリップにある外套退去ボタンを引いて水平アーム(羽)を子宮内で広げ
ていました。そうすると、子宮低部で水平アームが十分に開かなお例や
直後の脱落例があったので、外套から水平アームを出したまま挿入する
と子宮低まで十分に届き水平アームもきれいに広がることが判りました
。以降は、ヘガール6〜7号まで拡張して挿入しています。
3) 痛みの少ない経産婦さんもいるとは思いますが、当院では子宮卵管造
影(HSG)・コルポスコピー時の子宮頚部の生検・子宮鏡(ファイバースコ
ピー)などすべての症例(子宮内容除去術前のラミケンRの挿入前など)で
、傍頚管ブロック(PB)を行っているので、ミレーナ挿入時のPBも、いつ
もの操作の一つで苦にはなりません。
4) 局麻剤ですが、キシロカインはショック例の報告が使用しません。全
例で0.5%または1.0%のメピバカイン(カルボカイン)です。傍頚管ブロッ
クでは4方向に20mL(各5mL)、子宮卵管造影時は、6時と12時の各5mL(計1
0mL)です。保険請求は何度もしましたが、全て査定されるので最近は保
険請求しません。
5) ミレーナ挿入後は必ずTVSで水平アームの広がりを確認することが必
要です。
6) 感染予防のため、抗生剤を3日分処方しますが、5〜10%ぐらいで挿入
後の子宮内膜炎や付属奇炎を併発する方がいますので、1〜4週後のTVSと
内診は必須です。
7) また挿入後は、かなり多くの方に少量の不正出血が断続しますので、
あらかじめの説明が必要です。2〜3ヶ月後には必ず止まります。止まら
ない場合は内膜炎か内膜の腫瘍でしょう。
　先生も試しに使ってみて下さい。月経痛は劇的に改善されます(90〜1
00%ぐらい)。副効用としての避妊効果もあります。ご存じとは思います
が「避妊目的」には保険請求は出来ません(自費です)。いつでもご質問
をどうぞ。